自作PCを組んだ
1ヶ月くらい前になるが、自作PCを作った。 メインPCとしてラップトップのThinkpad x390を使っていたのだが、以下の理由からデスクトップの自作PCを購入することにした。
- Thinkpad x390がDockerのBuildなどをするには厳しいことが多々あった
- 久しぶりにゲーム(そこまでスペックは要求しないもの)をしたかった
- 趣味としてPC関係の知識のアップデートを兼ねて。たしか2010年くらいに初めて自作PCを組んで、それ以降はラップトップばかりを使っていたので、13年ぶりくらいの自作になる。
全体の予算としては10万円くらいを目安とした。
構成
数年前はIntelがだめで、AMDが主流だったっぽいが、最近はIntelも盛り返しているみたい。 AMDよりもIntelの方がソフトウェアに力を入れており、AI推論もIntelの方が注力しているので、Intelにした。 あと、最近の半導体製造はTSMCの1強すぎるので、TSMC以外を応援するという意味でも。 最初は最新の13世代(Core i5 13400Fあたり)を狙っていたが、予算の都合上、1つ古い12世代にした。 内蔵GPUは普段は使わないのだが、GPUを使ったアプリ開発にIntel GPUもあったらデバッグに役立つが、ラップトップのIntel内蔵GPU使えばいいしと思って無し(F版)を選択した。
機械学習のためにNVIDIA一択(といっても学習をがっつり回したりする予定はない)。 機械学習用途を意識して、GTXシリーズよりメモリが多いRTXシリーズにした。 自分が想定していたより、GPUの値段はかなり高く、最新のRTX40ではなく、1世代前のRTX30の中で一番ローエンドのRTX3050を選択。 玄人志向のものを購入したが、今回作ったPCで唯一光ってしまうのが残念だった。 最近、IntelもIntel Arcというグラフィックカードを出していることを知ってびっくりした。
なるべくサイズを抑えたかったのと、マザーボードやケースの値段的にもATXよりmicroATXの方が抑えられそうだったので、microATXを選択。 チップセットはZ690は自分にはオーバースペックなので、B660にした。 あとは、一体型のバックパネル かつ M.2スロットにヒートシンクがある という条件で値段の安いマザーボードを探した。 MSI MAG B660M MORTAR DDR4 と ASUS TUF GAMING B660M-PLUS D4 の2択で悩んだが、前者は2つあるM.2スロット両方にヒートシンクがあるが、後者は片方だけだったので前者にした。 MSIのマザーボードを使うのは初めてだが、BIOSの使い勝手は特に問題無さそうだった。
- メモリ: CFD W4U3200CS-16G 16GB * 2枚 = 32GB (7,640円)
計16GBでも十分そうだったが、値段が安かったので計32GBにした。 マザーボードがDDR4なので、PC4-25600(DDR4-3200)で値段が安いものを適当に選択。 メモリのメーカーはどこがいいとかよく分からない。
- SSD: ADATA LEGEND 800 ALEG-800-1000GCS-DP (M.2 2280 1TB) (5,680円)
13年前に組んだ時はHDDが主流だったのが、SSD(SATA接続)になり、さらにPCIe接続のSSDが主流になっているらしい。 ここ10年で恐らく一番進化しているパーツですね。 SSDはここ半年くらい値下がりしていて安かった。 M.2、PCIe gen4、1TBでなるべく値段が安いものを適当に選択(ここのところニュースになっているWestern Digitalは避ける)。 付属の薄いヒートシンクがついていたが、マザーボード付属のものの方が冷えそうでサイズもピッタリなので、マザーボード付属のヒートシンクを使った。
- 電源: 玄人志向 KRPW-BK750W/85+ (10,540円)
構成的に600Wあれば十分そうだったが、余裕を見て750WのBronzeを選択。
- ケース: Thermaltake Versa H18 CA-1J4-00S1WN-00 (4,369円)
MicroATX対応のミニタワー型ケース。 裏面配線可能・電源が下側で別吸気・上部/底面にも穴があるか・フロントパネルがメッシュで吸気しやすい あたりの条件を満たすものから選択。 小さめのケースなので、大きいCPUファンとか大きいGPUは入らない。
- CPUクーラー: DEEPCOOL AK400 R-AK400-BKNNMN-G-1 (3,290円)
最初はIntel純正のCPUクーラーで運用しようとしていたが、ベンチマークソフトを回すと90度くらいになったので、追加でCPUクーラーも購入。 安めのCPUクーラーの中で評判のいいAK400を選択した。 ケースThermaltake Versa H18は背が高いCPUクーラーは入らず、AK400はちょうど収まる。 AK400導入後で、ベンチマークソフトを回すと68度くらいだったので、かなり効果はあった。
- ケースファン: 2 x KAZE FLEX 140 SQUARE PWM 1200rpm KF1425FD12S-P (2 x 1,320円)
ケースThermaltake Versa H18には、リア側に120mmのファンが標準でついているが、フロント側に140mmファンを2つ追加した。 必要だったかとか、効果があったかとかは不明。 マザーボードにケースファンの電源が2つしかなかったので、分岐ケーブルを購入して、フロントの2機に分岐して電源供給した。
- OS: Ubuntu22.04
これまでのメインPC Thinkpad x390でもUbuntu22.04を入れて使っていた。 同じUbuntu22.04なのに、x390だとWaylandがデフォルトになっていたが、今回自作したPCだとX windowがデフォルトになっていた(謎)。
ベンチマーク
Phoronix Test Suiteを利用してベンチマークを取ってみた。 様々なベンチマークを共通のプラットフォームに入れたもので、結果を共有などもお手軽に出来るようになっている。
# 導入 sudo apt install ./phoronix-test-suite_10.8.4_all.deb phoronix-test-suite version # CPU/GPUのベンチマーク phoronix-test-suite benchmark blender # ディスクのベンチマーク phoronix-test-suite benchmark sqlite
ベンチマーク結果
- Blender (CPU/GPU)
- 新PC(リテールCPUクーラー)
- 新PC(CPUクーラー AK400)
- Thinkpad x390では時間がかかりすぎるので諦めた
- disk (sqlite)
温度
psensorというツールでCPU・GPU・SSDの温度を確認した。
sudo apt install psensor psensor
アイドル時 | ベンチマーク時 | ゲーム時 | |
---|---|---|---|
CPU(リテールCPUクーラー) | 38度 | 90度 | 60度 |
CPU(CPUクーラー AK400) | 35度 | 68度 | 45度 |
GPU | 38度 〜 50度 | 63度 | 50 〜 60度 |
SSD | 47度 | 55度 | 55度 |
- CPUクーラーの効果がすごい。
- GPUはBlenderベンチマークを回しても短時間しかフルで動かないので、温度は上がりきって無さそう。
- SSDはアイドル時でも結構熱いが、負荷をかけても温度はそこまで上がらないみたい。